● 1987/04
『
訳者あとがき
C・W・ニコル、フルネームをクライブ・ウイリアムス・ニコルといい、本人は「ぼく」という。
日本語の達者な外国人は、たいてい「わたくし」とか「わたし」というが、彼の「ぼく」は、もことに彼の人となりによく似合う。
四畳半人間の想像などおよびもつかぬ経験を積み、修羅場をくぐってきた地球人間、もとより多数の側面をもつだろうが、まだ日の浅い付き合いで得た印象と実感をひとことで言えば、誠実と無邪気、これに尽きる。
翻訳上の疑義百出したじゃら、宿で大セッションを行いたいむね前もって連絡しておいたら、大きなバッグに資料をいっぱい詰めてきて、8年前太地で1年間の取材生活をしたときの、びっしり書き込まれた古びたノートをつぎつぎ取り出した。
わからなくて苦労した個所が、じつは彼の日本語固有名詞の聞き違いのせいだとわかると、「ごめん、ごめん」と、大きな肩をせいいっぱい小さくして、しきりに恐縮していた。
「ニックの顔は、そのとき語っている動物の表情をおびる」
とは、編集者の言である。
わたしは「勇魚(いさな)」という言葉を恥ずかしながら知らなかった。
音(おん)からして<漁魚>の表記が頭に浮かび、小さな魚かと思ったが、鯨(いさ)ともいい、鯨の古称だという。
<鯨魚(いさな)取り>で、海、浜、灘の枕詞になり、万葉集にも
「鯨魚(いさな)取り海や死(しに)する 死ぬれこそ海は潮干(しおひ)て山は枯(かれ)すれ」
など12首が見えるそうである。
原題も最初は”Isana”だったのだが、英語版のエデイターの意見で”Harpoon”(銛)に変わった由、まあしかたないかもしれない。
鯨の巨大さというのは、正直、ニックの筆をもってしても、捕鯨絵巻をもってしても、なかなか実感しにくかったが、太地の<くじら博物館>に、実物大の張子が吊るされていて、だいぶ理解に近づいた。
体長何メートルなどといわれてもだめなのだ。
鯨体の大きさを得心させるものは、あの胴回りなのだとわかった。
いくら遊泳中、水上に姿を見せても、潮をふいても、巨体の十分の九、いや、おそらくそれ以上が水面下なのだから、一般人に胴の太さはぴんとこむ道理である。
』
[◇◆◇]
●).反捕鯨の論理をいくら読んでみても科学的に納得できる論拠が見当たらない。
つまり、
「オレたちは獲り終わった、だからオマエたちは獲るな」
と言っているだけ。
クジラは彼らにとって「ペット」なのだ。
鎖のついていない「海のペット」なのだ。
どの家でも飼っている犬・ネコと同じなのだ。
一軒家に住んでいて犬を飼っていないとこう言われる。
「なぜ、イヌを飼わないのだ」
大きなお世話だ。
そして、このペットのために、1年間に日本第二の都市、横浜に匹敵するカンガルーを殺している。
約350万頭。
なんで殺す?
家で飼うペットに喰わせるため。
ドッグフード・キャットフードの原料なのである。
犬猫はかわいい。
カンガルーはそのエサである。
だから殺してもいい。
でも犬猫は殺してはいけない。
なぜなら、「ペットだから」。
アングロサクソンの論理など勝手なもの。
自分でルールを作って、それを無理やり他人に押しつける。
動物愛護の思想などこれぽっちもない。
口先だけの動物愛護。
この10年で殺されたカンガルーの数は約4,500万頭。
この国の人口、2,200万人。
たったの10年で、なんと国家人口の2倍の数のカンガルーを殺している。
充満する「動物虐殺論理」。
あるのは「ペット主義」。
「クジラを殺すな」と言っているのではない。
「ペットを殺すな」なのだ。
「動物愛護」を掲げているわけではない。
「ペット愛護」を拡声しているのだ。
「グリーンピース」ではない。
「ペットピース」なのだ。
そんなものに左右されることはない。
[◇◆◇]
『
そのほか - 2009年12月02日
NT、害獣ラクダ駆除計画に思わぬ反対
http://www.25today.com/news/2009/12/nt_16.php
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イギリスを初め、海外から非難
NTの奥地では野生化したラクダが猛烈に繁殖しており、住民の生活に支障が出ているため、NT政府が$49,000を出資し、6,000頭のラクダを緊急駆除すると発表した。
しかし、先週そのニュースが発表されると、イギリスで猛反対が起き、あるオンライン・ディスカッション・サイトではオーストラリアを第三世界と呼び、他のヨーロッパ諸国の国民にオーストラリア観光をボイコットするよう呼びかけている。
アリス・スプリングスから500km南西のドッカー・リバーの集落では、夜になると何千頭ものラクダが町を我が物顔に荒らしまわり、水ほしさに水道栓を壊し、町の住民を震え上がらせている。
また、群れに踏み潰されたラクダの死体が町内で腐敗し始めており、町の飲料水に利用されている地下水を汚染する可能性もあり、衛生問題にもなっている。
イギリスではタイムズ・オンラインがこの事件を報道し、それ以来、NT政府のロブ・ナイト自治大臣のもとには世界中から嫌がらせや脅迫のメールが舞い込み、タイムズ・オンラインには読者の書き込みが続いている。
ブロガー達は、$49,000でラクダ用の水飲み場を作れ、人間と共棲する動物に敬意を払え、オーストラリアはG20加盟の価値がない、オーストラリア人は喧嘩腰だ、オーストラリアは世界最悪の土地だから行くな、オーストラリアは第三世界で、生活水準はヨーロッパの最貧国より低いなどのコメント、ドイツからは、ショックを受けると同時に腹が立った、わずか350人の人間のために6,000頭の何の罪もない柔和な生き物が殺されるのか、ラクダにも、人間と同じように神が創った太陽の下で神の創った水を飲む権利があるはずだなどのコメント、さらにアメリカではテレビのトーク・ショー・ホストがケビン・ラッド首相を、「連続殺人犯」と呼び、ラクダ駆除を「ジェノサイド」と呼んだ。
オーストラリア国内では、現在、野生化したラクダが100万頭いると推定され、8年から10年ごとに頭数が倍になっている。
政府は、大陸中央部の野生ラクダの数を減らすため、「Feral Camel Action Plan(野生化ラクダ駆除活動計画)」草案を発表、一般からの意見を募っている。(AAP)
』
ガンバレ、世界人民。
「Feral Camel Action Plan(野生化ラクダ駆除活動計画)」ハンターイ!
グリンピースよ、立ち上がれ!
たったの一頭でも、ラクダを殺すな!
ラクダ一頭は、クジラ一頭だ!
『
国際 - 2009年12月13日
「調査捕鯨変更なし」と鳩山政権
http://www.25today.com/news/2009/12/post_4055.php
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「国際司法措置に訴える」とラッド首相
12月10日、日本の鳩山由紀夫民主党政権が、「従来の科学調査捕鯨を停止する考えはない」と発表したことを受け、ケビン・ラッド連邦首相が、「日本が捕鯨活動を停止しなければ、わが国は法的措置に訴える」と声明を発表した。
これに対して、緑の党のレイチェル・シーワート連邦上院議員が、「法的措置に訴えるという政府の威嚇はお笑いだ。
いった、どれだけ鯨が死ねば、政府は日本に対してほんとうに法的措置に訴える決心をするのか。 ラッド政権は2年続けてその威嚇を使ってきたし、その前には保守政権が使っていた。今や、国民は誰も政府が本気だとは考えていない」と発言した。
さらに、「ラッド首相は、今季もオーストラリアの船で捕鯨監視をする意図がないことを明らかにしている。
わが国政府と日本政府の間の交渉はまったく何の成果も生んでおらず、日本の捕鯨船が間もなく南氷洋にやってくる。
ラッド首相は、12月15日に日本の首相と会見する際に捕鯨問題も話し合うべきだ。
それで解決しなければ、今度こそ本気で国際裁判所に提訴すべきだ」と語り、続けて、「今季、日本捕鯨船団は、1,000頭近いミンク・クジラと50頭のナガス・クジラ捕鯨を予定している。
捕鯨を阻止するのは今季もシー・シェパードだけということになるだろう」と語った。(AAP)
』
『
国際 - 2009年12月14日
http://www.25today.com/news/2009/12/post_4059.php
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「国際訴訟は国益に反する」とスミス外相
(12月12日、緑の党のレイチェル・シーワート連邦上院議員が、日本の調査捕鯨に対する即時国際司法裁判所提訴を連邦政府に要求した)。
これに対して、12月14日、WA州パースを訪れていたスティーブン・スミス外相は、「オーストラリア政府が、南氷洋での日本の捕鯨を国際司法裁判所に提訴するのはあらゆる外交手段が尽きた時の最後の手段」と語った。
また、捕鯨問題は、12月15日に訪日するケビン・ラッドが鳩山由紀夫首相と会談する際に否応なく話題に上るだろうとしている。
スミス外相はさらに、「これまでのところ、外交を通じた話し合いでは、日本の科学調査捕鯨プログラムを停止させるところまで行っていないが、対話を続けることがオーストラリアの最大の利益になるはずだ。
私の同僚(環境大臣)のピーター・ギャレット氏も、環境省職員も、国際捕鯨委員会(IWC)を通じて積極的に働きかけており、オーストラリア政府は日本に対して、外交的に問題を解決するよう圧力をかけ続けている」と語った。
ギャレット氏、ケビン・ラッド連邦首相、それに私も明らかにしている通り、外交で万策尽きた場合にのみ、国際司法裁判所か、国際海洋裁判所に提訴するつもりだ。
外交的努力でかなりの作業を進めてきた。
一方では日本との二国関係で捕鯨停止に向けた努力を行ったし、IWCでは多国間的な努力も続けている。
オーストラリアの国益を考えるなら、外交的手段で日本と交渉していかなければならないと考えているし、オーストラリアその他の国が日本と外交的努力で話し合っていくことが、南氷洋での日本の捕鯨停止への近道だと考えている」と語った。(AAP)
』
科学的根拠が全くないのに、「国際司法裁判所か、国際海洋裁判所に提訴する」などできるものか。
提訴するなら、説得力ある論理を展開しないといけない。
「ペットがかわいい」論理だけで、誰が納得するか。
提訴すれば門前払いか、あるいは受けつけてもらえても論拠がないから負けることは解っている。
もし門前払いをくったり、負けたりしたら、捕鯨船がおおっぴらにやってくる。
それだけではない。
いかにこの国の「ペット主義」がみっともなくもくだらないか、世界の物笑いの種になってしまう。
バカにされるだけ。
それではヤバイ。
だから、どうにかして提訴しないようにと、ズルズルと時間延ばしをやっているだけ。
安心しろ。
6,000頭のラクダをぶっ殺しても日本は****裁判所などに提訴しないから。
『
国際 - 2009年12月24日
http://www.25today.com/news/2009/12/post_4088.php
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日本の南氷洋調査捕鯨に
南氷洋で日本の調査捕鯨船団と反捕鯨団体シー・シェパードが新戦術と新兵器を駆使して「捕鯨戦争(ボブ・ブラウン緑の党党首の言葉)」を演じている時、オーストラリア連邦政府は、再び、「日本が捕鯨を停止しなければ国際司法裁判所に訴える用意がある」と声明を出した。
また、国際司法裁判所に提訴する場合、日本の調査捕鯨監視のため、南氷洋に監視船を派遣するとしている。
日本の調査捕鯨船団は、今季の調査捕鯨割り当て頭数を、ミンククジラ935頭、ナガスクジラ20頭、ザトウクジラ50頭としており、連邦政府のピーター・ギャレット環境相は、日本の捕鯨を停止させるために外交努力を続けている。
この努力で何の進展も見られなければオーストラリアは法的措置に訴えると語った。
12月24日付ABCラジオに出演したギャレット大臣は、「捕鯨は相変わらず大きな懸案事項だ。
国際司法裁判所に訴えるために必要なら、何年か前のように監視船を派遣する用意があることを明らかにしてきた」と語っている。
一方、国際捕鯨委員会(IWC)の非難決議も受けている暴力派反捕鯨団体シー・シェパードのポール・ワトソン船長がセブン・ネットワークのインタビューに答え、「第二昭南丸は、2週間にわたって、われわれを捕鯨船団に近寄らせないようにハラスメントを行ってきた。
船は給油のためホバートに戻らなければならないが、それが済めば船団捜索を続ける。
毎年1月初めになるまで日本の捕鯨船団を見つけることは難しい。
まだ、1週間の余裕がある。必ず、スティーブ・アーウィン号が船団を見つけ、割当量捕獲を妨害してみせる」と語った。(AAP)
』
『
国際 - 2009年12月24日
http://www.25today.com/news/2009/12/post_4088.php
日本の南氷洋調査捕鯨に
南氷洋で日本の調査捕鯨船団と反捕鯨団体シー・シェパードが新戦術と新兵器を駆使して「捕鯨戦争(ボブ・ブラウン緑の党党首の言葉)」を演じている時、 オーストラリア連邦政府は、再び、「日本が捕鯨を停止しなければ国際司法裁判所に訴える用意がある」と声明を出した。
また、国際司法裁判所に提訴する場 合、日本の調査捕鯨監視のため、南氷洋に監視船を派遣するとしている。
日本の調査捕鯨船団は、今季の調査捕鯨割り当て頭数を、ミンククジラ935頭、ナガスクジラ20頭、ザトウクジラ50頭としており、連邦政府のピー ター・ギャレット環境相は、日本の捕鯨を停止させるために外交努力を続けている。この努力で何の進展も見られなければオーストラリアは法的措置に訴えると 語った。
12月24日付ABCラジオに出演したギャレット大臣は、「捕鯨は相変わらず大きな懸案事項だ。国際司法裁判所に訴えるために必要なら、何年か前のように監視船を派遣する用意があることを明らかにしてきた」と語っている。
一方、国際捕鯨委員会(IWC)の非難決議も受けている暴力派反捕鯨団体シー・シェパードのポール・ワトソン船長がセブン・ネットワークのインタビュー に答え、「第二昭南丸は、2週間にわたって、われわれを捕鯨船団に近寄らせないようにハラスメントを行ってきた。船は給油のためホバートに戻らなければな らないが、それが済めば船団捜索を続ける。毎年1月初めになるまで日本の捕鯨船団を見つけることは難しい。まだ、1週間の余裕がある。必ず、スティーブ・ アーウィン号が船団を見つけ、割当量捕獲を妨害してみせる」と語った。(AAP)
』
「国際司法裁判所」というところは、クジラの管理までするところか。
もしそうならそのうち、ゴキブリの権利まで口出すことになる。
バカにされるのがオチだ。
『
国際 - 2009年12月29日
http://www.25today.com/news/2009/12/post_4099.php
国際 - 2009年12月29日
「日本の捕鯨船団処罰を」
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野党保守連合環境スポークスマン
12月29日、連邦議会野党保守連合の環境担当スポークスマン、グレッグ・ハント議員は、「日本は現在の捕鯨を科学調査捕鯨と主張できない。
オーストラリアは、日本を国際司法裁判所に提訴すべきだ」と語った。
今季の日本の科学調査捕鯨の捕鯨頭数割当はミンククジラ935頭、ナガスクジラ20頭、ザトウクジラ50頭となっている。
先週、連邦政府のピーター・ギャレット環境相が、「日本の捕鯨を停止させるための外交努力は今も続いている。
外交で何の進展もない場合には国際司法に訴えることも検討する」と語っている。
ハント議員は、「政府は、オーストラリア領海での日本の捕鯨停止外交手続きを中止し、処罰すると何度も約束したが一度も行動していない。
日本側が、捕鯨は食肉が目的で、科学調査ではないと認めたのだから、明らかに国際捕鯨会議(IWC)の決定に違反している」と反論している。
12月初め、日本の岡田克也外務大臣が、ABCのインタビューに答えて、「鯨肉を食べるのは日本文化の重要な一部だ」と語り、捕鯨政策に変更はないと付け加えている。
ハント議員は、「野党保守連合は、現在の段階でオーストラリアの政策を変更する必要はないと考える。
日本が国際法に基づく義務に違反していることは明らかだから、オーストラリアの任務は、軍艦ではない船舶を派遣し、日本捕鯨の観察、証拠集め、監視、記録を行い、国際司法手続きを実行することだ。
この壮大な(great)クジラを守るために現実的な手続きを取らなければならない」と語っている。(AAP)
』
人の食い物にまで能書きをいうのか。
「あれ食っちゃいけねえ」とか「これ食っちゃイケネエ」とか。
まったく、己が食い物の好き嫌いで文句をつけるな。
早く提訴しろ!
【忘れぬように、書きとめて:: 2009目次】
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