2009年2月7日土曜日

ウオーク:インタビュー:高見恭子


● 1990/05



 大人になりすぎちゃうと、なんだかわからない痛みみたいなものが始終つきまとって、それから逃れたい、楽になりたいと、無意識に思うものなのよ。

 人間って、ずうっとずうっと走り続けて、何かになりたいと思ってがんばって、でも何かをつかんでしまったりすると、ぽかんと、どうしようもない空虚に包まれるのよね。
 ある男はアルコールに、違う人は恋に走って行って、どっちも選べない男は、早くから初老になっていく。

 知っているのよ。
 黙ってそうしている時、考えているふうな顔をしているけど、本当は何も考えてないの。
 ただぼんやりしているだけ。
 
 ただぼんやりと、考えるのをやめるのって、本当に気持ちいいのよね。
 すべて停止してしまうみたいに。
 ばんやりぼんやりできるって。

 「趣味は?」
 「そうだな、ぼんやりすること。
 ぼんやりするのが、一番いい。
 このごろすごくじょうずにぼんやりできるようになった。
 人間って、ぼんやりしている間だけ、神様に近づくような気がする」
 「ぼんやりですか-」
 「そうだ」

 テープではほかの質問に答えていた。
 でも、ぼんやりについて語ったような、一瞬、心が開いたような会話は、ほかにはなかった。




 高見恭子をWikipediaで見てみる。

高見 恭子(たかみ きょうこ ) タレント・エッセイスト
 東京都出身:身長170cm
 作家高見順(本名・高間芳雄)と、その愛人小野寺房子(高見順の小説『生命の樹』に登場するホステスのモデル)との非嫡出子として生まれる。
 生まれた時の姓名は小野寺恭子。
 高見順の養女として高間家の籍に入り、高間恭子となる。
 高見順は1965年に病死。
 14歳の時に『MC SISTER』のモデルとして高間恭子の名でデビュー。高校卒業まで高見順の未亡人から養育費を受けて育つ。和光大学中退。
 テレビタレントとして多数の番組に出演。
 その後、藝名を高見恭子に変える。現在、「Cat in the closet」というブランドを立ち上げている。
 最初の結婚は1ヶ月強で破綻したが、1994年に元プロレスラーで現衆議院議員で3歳年下(満年齢としては2歳)の馳浩と再婚し、馳恭子となる。一女の母。』



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