2009年6月2日火曜日

:ムツ牧場・共和国首席の家


● 1980/12



 共和国首席の家は、大きくなければならない。
 心底満足できるものでなければならぬ。
 私は遠くフィンランドに材を求めて、丸太小屋を建造した。
 ちょっと贅沢であったが、十年先の姿がちらついて、思い切って大きなものにしたのであった。
 あと十年、地道に努力を重ねていって、国の基礎がかたまったら、みんなで底抜けに騒ぎたい。
 研究会なども開いてみたい。
 そのためには、大きな容器が要る。
 それに第一、政治家はたいてい立派な家をもっているではないか。
 国の頭になるものが、偉容を誇る建物に住まないで何としよう。
 かくて、フィンランド産の松による大丸太小屋、中標津の原野に出現したのであった。
 小屋ではなく、「丸太大屋」と称する人も中にはいるけれども。













【忘れぬように、書きとめて:: 2009目次】



_