2009年6月20日土曜日

:金属は原子からできている


● 2008/06



 化学的に見た場合、物質をつくる最小の粒子は「原子」と考えられています。
 ”化学的”に、と限定したのには理由があります。
 もしこの限定を取り除くと、物質を恒星する最小の粒子は「素粒子」となり、その正体は現代科学をもってしても、ハッキリしないということになってしまうからです。

 原子は雲でできた球のようなものです。
 雲のように見えるのは複数の電子(記号:e)からできた「電子雲(でんしうん)」です。
 1個の電子は「-1」の電荷をもっていますので、Z個の電子からできた電子運は「-Z」の電化を持つことになります。

 原子は非常に小さく、その直径は「10'-10'm(10のマイナス10乗メートル)」です。
 原子の大きさを実感するには、例を用いるのが一番です。
 原子をピンポン玉の大きさにしたとしましょう。
 このとき、ピンポン玉を同じ拡大率で拡大すると、ピンポン玉は地球くらいの大きさになります。
 そう考えると、原子の小ささがイメージできるのではないでしょうか。

 電子雲の中心には小さな「原子核」があります。
 原子核のの直径は、原子の「約1万分の1(1/10,000)」です。
 もし、原子核を直径1cmのパチンコ玉とすると、原子の直径は1万cm(10,000cm)、すなわち100mになります。
 つまり、東京ドーム2個貼り合せた巨大なドラ焼きを原子とすると、原子核はピッチャーマウウンドに置いたパチンコ玉、という関係になります。
 原子核はこのように非常に小さいのですが、質量の99.9%以上は原子核にあるのです。




 このように「原子核」は非常に小さく、重いものですが、それでも構造をもっています。
 原子核は複数の粒子である「陽子(記号:p)」と「中性子(記号:n)」からできているのです。
 陽子と中性子の質量はほぼ等しく、化学ではこれらの重さを一種の「単位」と考え、それぞれ「1質量数」とします。
 すなわち、陽子も中性子も「質量数=1」です。
 中性子は名前の通り、電気的に中性です。
 しかし、陽子はプラスの電荷をもっており、その電荷は電子の「-1」に対して、「+1」になっています。

 中性の原子では、原子核を構成する陽子の個数(Zとする)と、「電子雲を構成する電子」の個数はZと等しくなっています。
 そのため、原子核の電荷+Zと、電子雲の電荷-Zはつり合いますので、原子の電荷は0となります。

 原子核を構成する「陽子の個数」を「原子番号」といい、「記号Z」で表します。
 また、「陽子と中性子の個数の和」を「質量数」といい、「記号A」で表します。
 原子の種類は「元素記号」で表されますが、ZとAは、それぞれ元素記号の左下と左上につけて表します。






【忘れぬように、書きとめて:: 2009目次】



_